目 次
はじめに
瞑想とは、様々な定義がありますが、心身をリラックスさせるための歴史のある心身療法です。「平穏感やリラックス感を高めるため」「心身のバランスを良くするため」「健康や幸福の増進のため」など、瞑想の目的は様々です。
瞑想により作り出される物事に集中しやすい心身の状態は「マインドフルネス」と呼ばれ、昨今多くのメディアで取りあげられており、ビル・ゲイツも賞賛したといいます。瞑想とマインドフルネスは同一のものではなく、マインドフルネスを目的とした場合、瞑想はその手段の一つといえるでしょう。
マインドフルネスは「気をそらさずに『今、ここ』に存在することのみを意識する」ということ。具体的には、心を落ち着かせ、過去の苦い出来事や未来の心配事、仕事やプライベートにおける不安といったストレス要因を一切考えず、今の自分にだけ自然と意識が向いている状態のことを指します。
また、マインドフルネスには、不安の改善、心を穏やかにする、うつ病の抑制などの効果があると考えられています。瞑想によって集中力が高まった状態=マインドフルネスとなり、さらに、気分を落ち着かせてリラックスすることで、気持ちにメリハリもつくでしょう。
仕事でも趣味でも、集中して取り組めば良いパフォーマンスにつながります。集中力を高めるためには、日常に瞑想を取り入れるのも一つの手段。
本記事では、自宅で簡単にできる瞑想のやり方を紹介します。
瞑想最近よく聞くし、
興味あるけどよく分からないなぁ。
瞑想の効果
心の変化
瞑想は自分の内面に意識を向けていく練習です。その過程では集中力が養われます。必要な時に目の前のものに集中を切り替えられることはビジネスはもちろん、スポーツや競技などにも重要だと考えられ、取り入れられることも多いです。また、どんなものもありのままに受け止めていくことで自己肯定感も生まれます。否定的に物事をとらえていると、自分にはできない、と新しい挑戦も踏みとどまってしまいます。自己肯定できるようになると、様々なことにチャレンジしたり、周りの目を気にすることも少なくなり、自分らしく日常を送ることにも役立つでしょう。
体の変化
瞑想で自分を掘り下げていくことで、自分が何を求めているのかを理解することができます。それは、ストレスの根源を突き止め、それに対処できるようになるということです。ストレスによる過食や、暴飲暴食などの好ましくない行動が減り、体の変化が表れる場合もあります。そもそも、自分の体形にくよくよと悩むということがなくなってくるでしょう。物事をありのままに見られるようになると、どんな体形であろうと、そこにジャッジメントする必要がなくなるのですから。
瞑想のやり方
瞑想を始める前の準備
・環境を整える
最初は静かで落ち着ける環境の方が集中しやすいです。テレビは消して、明るすぎる明かりは落としましょう。音楽があった方が集中しやすい人はかけていてもいいですが、落ち着いたものを選びましょう。聞き入ってしまわないように気を付けます。
・服装
座った時に体を締め付けないもの、ゆったりとしたものを選びましょう。また、寒すぎる、暑すぎることのないように、適温を保てる服装を。
・香り等
基本的には必要ありませんが、集中しやすくするためにリラックスできる香りを用意してもいいかもしれません。ですが、きつすぎるにおいや気になってしまうものは適しません。また、アロマオイルの場合刺激性のものは避け、リラックス系のオイルを選ぶ方がいいでしょう。
基本的な瞑想のやり方
初心者にもやりやすい「マインドフルネス」瞑想に挑戦してみましょう。
・座り方
椅子に座っても、床に座ってもどちらでも構いません。自分がリラックスできる場所を選んで座りましょう。
・姿勢
骨盤を立て、できるだけ背筋をまっすぐに伸ばした姿勢を。椅子で背もたれによっかかった方がやりやすい人は、最初は背中をあずけながら姿勢を保つように意識しましょう。慣れてきたら自分でまっすぐの姿勢を保ちます。
・呼吸
ゆったりとしたいつもの呼吸を繰り返します。心地よさを重視しましょう。
・イメージ(具体的なやり方)
自分の呼吸を観察してみましょう。ペース、深さ、呼吸が体を通っていく様子などに意識を向けます。そうすると、だんだんと頭の中に考え事が浮かんでくるはずです。まずはそれに気づきましょう。気づいたら、考え込まずにそっと横に置いていくような感じでまた呼吸に意識を集中させます。その繰り返しです。「頭を空っぽにしなければ」という考えで頭をいっぱいにしないように気をつけて。考え事が浮かんでくるのは悪いことではありません。それにひっぱられずに、集中を絶やさないように練習してみましょう。
・時間
最初は5分でも長く感じるかもしれませんが、短い時間から始めるとやりやすいでしょう。慣れてきたら少しずつ伸ばしてみてくださいね。15~30分くらいでも、効果を感じられるでしょう。
・終わり方
少しずつ意識を戻していくようにしましょう。ぼんやりしている場合は少し時間を空けてから活動するようにします。足がしびれてしまった場合は、立ち上がる時に気を付けて。
その他の瞑想
歩く瞑想
マインドフルネスでは意識を呼吸に集中させましたが、歩く瞑想では歩いている時に感じる体の感覚に意識を向けます。歩きながら、足の裏が地に着く感触、地面を踏みしめる感触、そして離れていく感触などに最大限集中してみましょう。話はせず、考え事にひっぱられないようにしながら、ただただ触感に集中します。
食べる瞑想
歩く瞑想同様、口に含んだ食べ物に意識を向けていくものです。レーズンなどを口に含み、その味に集中します。舌のどのあたりにどんな味がするか、などを観察します。そして時間とともに変わっていくその味や感触も感じていきます。普段の食事は何かをしながら食べたりして意識がおろそかになりがちです。まぶたを閉じ、静かな環境ですると、より味覚への集中が生まれ、新しい気づきにつながるかもしれません。
書く瞑想(ジャーナリング)
ジャーナリングとは、頭の中に浮かんだことや、自分が思ったことなどを紙に書いていくことを言います。ただ頭で思うだけではなく、実際に手を動かして紙に書いていくことにより自分の内面と向き合うことができます。ジャーナリングで期待できる効果には、自分の状況を客観的に把握できる、ストレスの軽減につながる、集中力が高まるがあります。ポイントとして、事実や気持ちをありのまま書き出すことが大切です。
トラタク瞑想
ろうそくを使い、一点を見つめる瞑想法です。他のものと同様に意識を一点に集中させる練習になります。火の取り扱いには注意しましょう。
・ろうそくを目線の高さに置き、揺れる炎を見つめる。慣れてきたらできるだけ瞬きを減らす
・目を開いているのがつらくなってきたら目を閉じ、残像を見つめる
まとめ
瞑想は集中力の向上だけでなく、先に述べたように健康状態の改善にも効果があるとされています。手軽にできる、自分に合った瞑想を日常の中で取り入れてみてみましょう。続けてみると少しずつ変化していく自分に気づくかもしれません。そのように、自己への気づきを深めていくことが瞑想の一つの目的でもあります。そして大切なのは、それを日常に還元していくこと。悲観的な気持ちになってしまったときは、むやみに考えるのではなく、瞑想によって一旦距離を置いてみるのです。考えが整理され、客観的に捉えられるようになれば、今やるべきことがはっきりします。その結果、目の前のことに集中できる、理想のライフプランへ一歩踏み出せる、といった行動につながっていくはずです。特別な体験やスピリチュアルなものに固執してしまうのではなく、ありのままを受け入れることで、心地よい日常を送ることができるでしょう。まずはスキマ時間で「瞑想」してみてはいかがでしょうか。
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