目 次
はじめに
溢れる健康情報に振り回されていませんか?結局何が良いの?となっている方も多いと思います。人間は食べたものでできています。何を食べ、何を食べないかは全て人が実行している小さな「選択」です。毎日の小さな選択は、確実にあなたを病気から遠ざけたり、近づけたりします。本記事では、著書『世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事』を参考に科学的根拠に基づく本当に体に良い食品を解説していきます。
肉?魚?野菜?
何が正しいの?
本当に健康に良い食品5つ
魚
魚は心筋梗塞や乳がんのリスクを下げる
メインディッシュには魚がおすすめです。2016年に欧州の権威ある栄養学の雑誌に12個の観察研究のデータを統合したメタアナリシスの結果が掲載されました。その結果、魚の摂取量が多い人ほど死亡リスクが低いことが明らかになりました。1日の摂取量は60gが推奨されています。複数の研究結果によると、摂取すると心筋梗塞により死亡するリスクが36%低下することが明らかになりました。魚に含まれるオメガ3脂肪酸の摂取は、心筋梗塞など動脈硬化による病気の再発を予防してくれるという傾向を示しています。21個の観察研究を統合したメタアナリシスによると、魚をたくさん食べると乳がんのリスクが下がることが分かっています。その他にも、大腸がんや肺がんのリスクを下げることも報告されている。また魚にだけ水銀などの有害物質が多く含まれているわけではないので、魚をあえて避ける必要もないとされています。
少量でも良いので毎週コツコツと魚を食べるのが良いでしょう。
野菜と果物
重要なのは、果物や野菜のジュースやピューレなどの加工品ではダメということです。
16の観察研究をまとめたメタアナリシスによると、1日の果物の摂取量が1単位(バナナなら1/2本、リンゴなら小玉1つ)増えるごとに、全死亡率(原因にかかわらず死亡する確率)は6%減り、野菜の摂取量が1単位(小皿1杯)増えると死亡率は5%減るとされています。1日5単位食べれば健康上のメリットは十分であるとされています。一方、野菜や果物を食べてもがんの予防効果はあまり期待されておらず、統計的な有意な関係は認められていません。
フルーツジュースは糖尿病のリスクを上げ、野菜ジュースに関してはエビデンスがありません。いずれにしてもフルーツジュースや野菜ジュースで果物や野菜を食べた気になってしまうのは危険であるので、きちんとしたエビデンスのある「加工されていない果物や野菜」を摂取することを心がけていただきたいです。
茶色い炭水化物
「茶色い炭水化物」は死亡率を下げ、数々の病気を予防してくれます。茶色い炭水化物とは、玄米、蕎麦、全粒粉を使った茶色いパンなど、精製されていない炭水化物を指します。
アメリカ、英国、北欧の国々で行われた研究を統合した78万6000人のデータを用いたメタアナリシスによると、1日70gの茶色い炭水化物を摂取したグループは、茶色い炭水化物をほとんど食べていないグループに比べて死亡率が22%低かった。別の研究では、心筋梗塞や脳卒中といった動脈硬化によって起こる病気のリスクが21%低かった。1日50gの白米を玄米に置き換えることで糖尿病のリスクを36%下げることができると推定されました。一方で、がんに関するエビデンスは死亡率や動脈硬化ほど強くはありません。
茶色い炭水化物の摂取はダイエットにも有効であると考えられています。アメリカで行われた研究によると、茶色い炭水化物の摂取量が1日あたり40g増えるごとに、8年間での体重増加が1.1kg減ることが明らかになってます。複数の研究において、茶色い炭水化物の摂取量が多い人ほどBMIが小さく、腹囲が細いことも示されています。その他にも、便秘予防や大腸に炎症を起こす病気を予防する効果があるとも言われています。
オリーブオイル
オリーブオイルやナッツは脳卒中やがんのリスクを下げる。
①地中海食+1週間ごとに約1リットルのエクストラバージンオイル②地中海食+30gのミックスナッツ(クルミ15g、ヘーゼルナッツ7.5g、アーモンド7.5g)③低脂肪食
研究対象は5年間追跡され、①②の地中海食の栄養指導を受けたグループは、③の対象群と比べて、脳卒中、心筋梗塞、そしてそれらによって死亡する確率が29%低かった。
また、地中海食は糖尿病になるリスクを30%下げることも他の研究で報告されています。2016年の米国内科学会誌に掲載されたメタアナリシスによると、がんによる死亡率が14%低く、がんの発生率が4%低く、大腸がんになるリスクが9%低いと報告されました。
ナッツ類
地中海食=オリーブオイル+ナッツ類+魚+野菜・果物
普段通りの食事を食べながら、塩分と白い炭水化物の摂取量を減らす代わりに、オリーブオイル、ナッツ類、魚、野菜と果物を増やすことが最も健康良い食事であるといって良いでしょう。
まとめ
グループ | 説 明 | 食品の例 |
グループ1 | 健康に良いということが 複数の信頼できる研究で報告 されている食品 | ①魚②野菜と果物③茶 色い炭水化物④オリーブ オイル⑤ナッツ類 |
グループ2 | ひょっとしたら健康に良い かもしれない食品。少数の 研究で健康に良い可能性が 示唆されている。 | ダークチョコレート、コー ヒー、納豆、ヨーグルト、 酢、豆乳、お茶 |
グループ3 | 健康へのメリットもデメ リットも報告されていない 食品 | その他の多くの食品 |
グループ4 | ひょっとしたら健康に悪い かもしれない食品。少数の 研究で健康に悪い可能性が 示唆されている。 | マヨネーズ、マーガリン (トランス脂肪酸を含むもの はグループ5) |
グループ5 | 健康に悪いということが複 数の信頼できる研究で報告 されている食品 | ①赤い肉(牛肉や豚肉のこ と。鶏肉は含まない)と加 工肉(ハムやソーセージな ど)、②白い炭水化物(じゃ がいもを含む)、③バターな どの飽和脂肪酸 |
著書の中では参考文献も詳細に記載されており、科学的根拠に基づくものばかりです。豊かな人生を送るためにも日々の小さな選択を丁寧に行なって健康な日々を過ごしていきましょう。
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