入浴の効果〜毎日湯船に浸かるススメ〜

健 康

目 次

はじめに

日々の忙しさのなかで、お風呂を沸かして湯船に浸かる時間を確保できず、ついシャワーのみで済ませてしまうことがないでしょうか。実は、湯船に浸かって体を温めると、多くのメリットが期待できます。たまにはゆっくりとお湯に入って、疲れた体と心を休められる時間を作れると理想的です。

そこで今回は、お風呂と健康の関係について紹介します

ちょこぶら
ちょこぶら

お風呂?お湯も勿体ないし、毎日シャワーだな。

えっ!?入浴って健康に良いの!?

この記事はこんな方におすすめ
  • 毎日シャワーで済ませてる方
  • 入浴の効果を知りたい方

入浴の効果・メリット

温熱効果

効果:疲労回復、快眠、リラックス、神経痛改善、腰痛・肩こり緩和など

 温かい湯船に入って体が温まることで、次のような効能が得られます。

  • 血管が広がり、たくさんの血液が体内を巡ることで、新陳代謝が活発となる。
  • 「体の修復」や「リラックス効果」をつかさどる副交感神経が優位な状態となる。
  • 筋肉が緩み、関節の緊張が和らぎ、神経の過敏性が抑えられる。
  • 家でのパソコン作業などによって肩や腰の痛みに悩んでいる方は身体が温まると筋肉や関節部の緊張がほぐれます

静水圧効果

効果:足のむくみ解消、疲労回復など

 湯船につかり、体全体に水圧がかかることで、次のような効能が得られます。

  • 足のむくみの原因となる滞留した血液を水圧で押し戻すことができる。
  • 水圧がかかることで血液の流れが良くなり、新陳代謝が活発となる。
  • 血流やリンパの流れが改善される。
  • 冷えの解消にも効果的なので、慢性的に冷えに悩んでいる方にも有効

清浄効果

効果:肌の健康の保持など

 湯船につかり、毛穴が開くことで、次のような効能が得られます。

  • 皮膚の表面にある汚れや皮脂を流れ出させることができる。
  • 体温の上昇により汗をかきやすくなります。汗は老廃物を体外へ排出する役目があります。

睡眠効果

効果:良質な睡眠を得られるなど

 湯船につかり、体温が上がることで、次のような効能が得られます。

  • 入浴によって深部体温をちょっと上げることで入眠をスムーズにし、良質な睡眠を得ることが可能
  • 入浴することによって皮膚の血流をアップさせ、皮膚から熱を放散させて深部体温を下げることで、夜はぐっすり寝ることができる

こんなことまでわかった!入浴による健康効果

毎日、浴槽に浸かって入浴する人ほど幸福度が高い

静岡県に居住する6千人を対象に入浴(浴槽に浸かる)と幸福度との関係を調べました。幸福度とは個々の人がどのような思いで暮らしているかを数値化したもので、国際的にも使用されています。これは、所得と必ずしも合致しているわけではなく、所得が高くても幸福度が低い場合もあります
調査の結果、毎日浴槽に浸かっているグループでは幸福度の高い人の割合が54%であったのに対し、毎日浴槽に浸からないグループでは44%でした。毎日浴槽に浸かる人はそうでない人と比べて、幸福を感じている方が10%も多いことが分かりました

おすすめの入浴方法

(1)お風呂に入るタイミング

 快眠や疲労回復の面から最も効果があるのは、就寝の1~2時間前になります。

 これは、入浴したことで上がった体温が下がっていくタイミングで眠りにつくと、質の良い睡眠がとりやすいためです。

(2)お湯の温度と湯量

 リラックスやストレス解消の面から最も効果があるのは、温度は40℃くらい、湯量は肩まで浸かるくらい(全身浴)です。

 40℃くらいという、熱すぎない温度にしておくことで、リラックスして副交感神経が優位な状態となりやすく、またのぼせるなどいったリスクも少なくなります。

 また、肩まで浸かることにより、半身浴と比較して、温熱効果・静水圧効果・浮力効果を効率的に得ることが期待できます。ただし、心臓や肺に疾患のある方は、体への負担を和らげるため、温度は38℃くらい、湯量はみぞおちの辺りまで浸かるくらい(半身浴)にする方が良いでしょう。

(3)入浴時間

 全身浴の場合は、10〜15分程度浸かるのがおすすめです。長時間浸かりすぎると、のぼせる危険があるので、おすすめできません。

 目安としては、顔や額が汗ばんでくるくらいまで、と考えると良いでしょう。

 入浴後は、湯冷めしないよう、ちゃんと水分を拭き取って、体を冷やさないことが大切です。また、水分補給も忘れないようにしましょう

日々の入浴で注意したいポイント

このように多くのメリットが期待できる入浴ですが、いくつか注意しておきたいポイントもあります。最後に、湯船に浸かるうえで気をつけておきたいことを解説します。

・お湯の温度は40℃程度が目安

体の疲れを取りリラックスするために、お湯の温度は40℃程度を目安にしましょう。お湯の温度が高すぎると、興奮につながる「交感神経」が活発になりやすく、血圧が上がるおそれがあります。42℃以上の熱いお湯での入浴にはリスクがあるためご注意ください。特に冬場は温かいお湯に浸かりたくなりますが、お風呂を沸かすときは適温を守りましょう。

・長風呂をしすぎない

湯船に浸かる時間は、長ければ長いほど良いわけではありません。目安として、入浴時間は40℃程度のお湯の場合で、10~15分に留めましょう。ただし、顔が汗ばんでくるのを感じたら、上記の時間以内であっても湯船から出て休憩を取るようおすすめします。40℃程度のお湯に10~15分浸かると、体温が約1℃上がるといわれます。長風呂には体温が上がりすぎるリスクがあるため注意しましょう。

・アルコールを飲むのは避ける

湯船に浸かると多くの水分が失われます。一般的には、入浴により約800mlの水分が失われるといわれるため、水・イオン飲料・麦茶などで水分補給を行うと良いでしょう。このとき、アルコール飲料を飲むと利尿作用により脱水が起こるおそれがあります。お風呂上がりはお酒を飲むのを避けて、まずはしっかりと水分補給を行ってください。

まとめ

なお、目的によってお湯の適温は変わります。
以下の表を参考にしながら、体調に気をつけて入浴を楽しんでください。

目的適温と入浴方法
良質な睡眠を得たいとき38~40℃のぬるめのお湯に、ゆっくりつかる。
ストレスを緩和したいとき40℃以下のお湯に、ゆっくりつかる。
足のむくみや疲れを取りたいとき40℃前後のぬるめのお湯をたっぷり入れて、肩までつかる。
筋肉の疲れを緩和したいとき42~43℃の熱めのお湯に入る。
入浴後、ひと仕事するとき42~43℃の熱いお湯に短時間だけつかる。
お肌の調子を整えたいとき40℃前後の、ややぬるめのお湯につかる。お肌がふやける前に出る。

今回は、お風呂で湯船に浸かるメリットをご紹介しました。入浴時には、可能であればシャワーよりも湯船に浸かって、体を温めるようおすすめします。冷えやすい冬は、ぜひご紹介した入浴のポイントを参考にしてみてください。

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