目 次
はじめに
ナッツとは、堅果種子類と呼ばれる、いわゆる「木の実」のことを指し、固い殻や皮に包まれた食用の果実や種子の総称でもありますが、草の種や一部の豆を含む場合もあります。
お酒のおつまみや子どものおやつというイメージが強いナッツ。実は驚くほど栄養価が高いことで近年注目されています。
豊富な栄養素を含むナッツは、健康や美容面でさまざまな効果がある食材です。ダイエット効果もあるので、美容のためにナッツを食べている方も多いのではないでしょうか?また便秘や高血圧、生活習慣病の予防・解消など健康面への効果が期待できる食べ物です。
この記事では、ナッツの栄養や効能、効果的な食べ方、注意点についてご紹介します
ナッツってバーでも出るし、
たしかにおつまみのイメージもあるなぁ
ナッツに含まれる栄養素
ナッツに含まれる栄養素とその健康効果について紹介します。
ビタミンE
老化や免疫力の低下の原因は、活性酸素です。
この毒素ともいえる活性酸素の働きを抑えるのが、抗酸化作用を持つビタミンEです。
ビタミンEは、ストレスへの防御機能を高め、免疫細胞を活性化させる働きがあります。
さらに、全身の血行を良くする作用もあり、栄養や酸素を細胞全体に届けやすくします。
ビタミンB2
ビタミンB2の主な働きとして、美肌効果、脂質の代謝、生活習慣病の予防があります。
また、ビタミンB2は「発育のビタミン」と呼ばれています。
糖質、脂質、タンパク質の代謝に関わり、とくに脂質の代謝を得意としています。
そのため、脂っこい食事が好きな方やダイエット中の方は、積極的に摂取したい栄養素といえます。
カルシウム
骨の原料となるカルシウムですが、日本人は全世代でカルシウム不足だといわれています。
とくに若い世代のカルシウム不足が問題視され、将来の骨粗鬆症が懸念されています。
ナッツは、不足しているカルシウムを補うために、非常に手軽な食べ物です。
カリウム
カリウムは、ナトリウム(塩分)を排出し、体内の塩分コントロールができます。
そのため、高血圧を予防する効果があります。
また、筋肉の収縮を正常に保つ働きがあるので、足の痙攣などの予防効果が期待できます。
マグネシウム
体内の50〜60%のマグネシウムは、カルシウムと同じように骨の形成に必要な栄養素です。
その他のマグネシウムは、脳や筋肉、神経組織に存在しています。
栄養素の合成、神経伝達のサポート、筋肉の収縮のコントロールを行っています。
オメガ3脂肪酸
オメガ3脂肪酸は、悪玉コレステロールを減少させる働きがあります。
血液をサラサラにして血管の弾力性を高めるため、動脈硬化の予防が期待できます。
血流の改善、血行不良による冷え性の改善などの効果も期待できます。
パルミトレイン酸
人の皮脂に含まれる栄養素がパルミトレイン酸です。
最も多く皮脂にパルミトレイン酸を持つのは、弾力のある赤ちゃんの肌です。
パルミトレイン酸は、加齢とともに少なくなってしまいます。
外から積極的に補うことで、美肌効果が期待できます。
オレイン酸
オリーブオイルなどにも多く含まれるオレイン酸は、不飽和脂肪酸の一種です。
コレステロール値を抑える効果があります。
また、がんなどの病気の原因とされる「過酸化脂質」を作りにくくします。
抗酸化作用があるので、アンチエイジングにも効果が期待できます。
亜鉛
亜鉛は、次のような働きがあります。
- タンパク質を合成して、皮膚や粘膜の健康を維持する
- DNAを合成し、新しい細胞を作る
- 骨の成長を促す
- 免疫力をアップさせる
- 味覚を正常に保つ
- 生殖機能の健康を維持する
鉄
鉄は、貧血予防になくてはならない栄養素です。
血液中のヘモグロビンを構成して、全身に酸素を供給する働きをしています。
とくに貧血ぎみの女性は、積極的に鉄を摂取する必要があります。
食物繊維
食物繊維には、便秘の予防、血糖値や血中コレステロールの抑制効果などがあります。
生活習慣病の予防にも効果が期待できます。
また、食物繊維には「水溶性食物繊維」と「不溶性食物繊維」の2種類があります。
ナッツには2種類の食物繊維が含まれており、バランスの取れた腸内環境を作ります。
ナッツの効果
ナッツには次のような効果があります。
- 代謝が良くなり痩せやすくなる
- 便通を改善する
- 血糖値の急激な上昇を抑える
- コレステロール値を抑えて脂肪を溜めにくくする
- アンチエイジング対策になる
- 美肌・美髪になる
代謝が良くなり痩せやすくなる
ナッツには、代謝が良くなるビタミンB群、血行を良くするビタミンEが含まれています。まずビタミンB群には、摂取した栄養の代謝を促しエネルギーを作り出す役割があります。
つまり、脂質がエネルギーに変換され、脂肪を燃焼しやすくなるのです。ダイエット中でも、カロリーを気にすることなく、ナッツを摂取して問題ありません。ちなみに、ビタミンB群が豊富なナッツにはカシューナッツ、アーモンドやピスタチオなどがあります。
一方、ビタミンEには抗酸化作用があり、老化を防ぐ働きがあります。体内で酸化が進行すると、老化や動脈硬化に繋がる恐れがあると言われています。
しかし、ビタミンEを摂取することで、細胞の老化を防いで血管を丈夫にし、血行が良くなるのです。
そのほかにも、ビタミンEには老化を防ぐ効果や肩こりや冷え性を改善する効果もあるので、積極的にナッツを摂りましょう。
ビタミンEが豊富なナッツには、アーモンドやくるみ、ヘーゼルナッツなどがあります。アーモンドやくるみ、ヘーゼルナッツを食べるとき、ナッツの皮を剥かないでそのまま食べることをおすすめします。薄皮には抗酸化作用があるので、薄皮も一緒に食べるようにするとよいでしょう。
便通を改善する
ナッツと言えば、食物繊維が豊富に含まれていることでも知られています。特にアーモンドは食物繊維が豊富で、レタスの約9倍、ごぼうの1.6倍の食物繊維が含まれています。
アーモンドには食物繊維が100gあたり11.0g、ピーナッツには11.4gの食物繊維が含まれているので、便秘で悩んでいる方にもおすすめです。
食物繊維には、腸内環境を整える水溶性食物繊維と便のかさを増やして腸を刺激し排便を促す不溶性食物繊維がありますが、ナッツに含まれているのは不溶性食物繊維です。
腸を刺激し排便を促すことで老廃物も溜まりにくくなり、デトックス効果により痩せやすくなるでしょう。
血糖値の急激な上昇を抑える
ナッツには、血糖値の急激な上昇を抑える効果もあります。そもそも、血糖値が急激に上昇すると、どうなるのでしょうか?余った血糖を脂肪として溜め込み、太りやすくなってしまいます。つまり、血糖値の上昇を抑えることで、太りにくくなるのです。
また、血糖値の急激な上昇を抑えることは、集中力の回復にも繋がります。勉強や仕事中に、集中力がなくなってきたと感じたら、ナッツを食べるとよいでしょう。
勉強や仕事中は甘いものを食べがちですが、あまりおすすめできません。なぜなら、血糖値が急激に上昇してしまうからです。
その点、ナッツは血糖値が急激に上昇することもなく、歯ごたえがあるため、脳を活性化させる効果もあります。勉強や仕事中の休憩タイムにも、ぜひナッツをどうぞ。
コレステロール値を抑えて脂肪を溜めにくくする
ナッツには様々な効果がありますが、コレステロール値を抑えて脂肪を溜めにくくする効果もあります。
コレステロール値を抑える効果があるのは、ナッツに含まれているオメガ3・オメガ6・オメガ9脂肪酸です。
オメガ3やオメガ6は不飽和脂肪酸と呼ばれており、マグロやサンマ、オリーブオイルなどにも含まれている脂質です。脂といっても、健康に悪い脂ではありません。コレステロール値を下げたり悪玉コレステロールを減らしたりと、身体に良い効果がある脂です。
次に、オメガ9脂肪酸です。このオメガ9脂肪酸は、抗酸化作用があり、さらに細胞の代謝を促す効果もあります。
痩せやすい身体を作りたいときは、ナッツを摂取してみてください。ピーナッツやピスタチオにはコレストロールの上昇を抑える効果があるので、特におすすめです。
アンチエイジング対策になる
実は、ナッツにはダイエット効果だけでなくアンチエイジング効果もあります。そもそも、なぜ肌は老化するのでしょうか?肌が老化する理由は、主に紫外線によるダメージですです。
ナッツに含まれるビタミンEは紫外線によるダメージを防いでくれるため、肌の綺麗な状態を保ちやすいと言われています。
さらに、ナッツに含まれるオレイン酸も、アンチエイジングに欠かせません。抗酸化作用があり、細胞を若いまま保つ効果があります。細胞が若いまま保たれることで、シミやシワなどを防ぎやすくなるでしょう。
美肌・美髪になる
男女問わず、美肌・美髪に憧れる方は多いのではないでしょうか?ナッツには、豊富なミネラルや亜鉛が含まれています。ミネラルや亜鉛により肌や髪に十分な栄養がゆきわたるため、肌や髪にツヤやハリが出やすくなるでしょう。
ナッツの種類
ナッツの種類には次のようなものがあります。
アーモンド
アーモンドにはビタミンEや食物繊維、オレイン酸などが豊富に含まれています。 特にビタミンEには抗酸化作用があり、美容目的で摂取している方が多い食材の一つです。 また一価不飽和脂肪酸の一つオレイン酸は、悪玉コレステロール濃度を下げるとも言われており、オリーブオイルなどにも含まれる栄養素です。
くるみ
くるみに含まれるオメガ3脂肪酸はナッツ類の中ではトップクラスと言われておりますので、外食や作り置きなどが多い食生活の人におすすめです。 またビタミンEやポリフェノールも豊富で、どちらも抗酸化作用がありますので、アンチエイジングの分野でも注目されています。
カシューナッツ
カシューナッツは、ナッツ類の中では脂質とカロリーが低いのが特徴です。 またビタミンB1が豊富で、くるみの約2倍あります。ビタミンB1には糖質をエネルギーに変える働きがあります。 その他にもミネラルなどもあり、特に鉄分がナッツ類でトップクラスですので、女性におすすめです。
ピーカンナッツ
ピーカンナッツはナッツの中でもマカダミアナッツに次いで高カロリーですが、「バターの木」と呼ばれるほど良質な脂質が豊富ですので、外食や動物性食品が多い食生活の方におすすめのナッツです。 またミネラルが19種類以上バランス良く含まれているのが特徴であるほか、γトコフェロールと呼ばれる抗酸化作用がある成分も多いので、アンチエイジング目的で摂取してみてはいかがでしょうか。
マカダミアナッツ
マカダミアナッツは脂質の含有量が多く高カロリーです。 ただし一価不飽和脂肪酸が多いので、ピーカンナッツ同様、悪玉コレステロールが気になる方におすすめです。 またパルミトレイン酸という栄養素が含まれていますが、こちらは肌への浸透率が高く美容オイルとしても使われています。
ヘーゼルナッツ
ヘーゼルナッツに含まれるオレイン酸は豊富でナッツ類の中でもトップと言われます。 また「世界三大ナッツ」と言われるほど、ビタミン、ミネラル、食物繊維が豊富ですので、美容と健康のためにはピッタリの食材の一つではないでしょうか。
ピスタチオ
ピスタチオはカリウムが豊富です。カリウムはミネラルの1種で血中のナトリウムや水分を排出したり、筋肉の働きをよくするともいわれています。 またルテインとゼアキサンチンも豊富なため、パソコンやスマホをよく使う方にお勧めの食材で、目の健康維持にぴったりです。
ブラジルナッツ
ブラジルナッツは、その名の通り南米の熱帯雨林だけに生息する木から採れるナッツです。
そのため、私たちには、あまりなじみがないかもしれません。
ブラジルナッツの大きさは、アーモンドの2倍ほどです。
ブラジルナッツの栄養の特徴は、ミネラルやビタミンB1が豊富に含まれていることです。
とくにビタミンB1は、糖質をエネルギーに変える代謝には欠かせません。
美容やダイエットで積極的に食べたいナッツです。
ココナッツ
ココナッツは、ココヤシという植物の実です。
ココナッツは、果肉部分を乾燥させたものです。
ココナッツの栄養の特徴は、カリウムが豊富に含まれていることです。
カリウムは、体内の余分なナトリウムを排出し、血圧を下げる効果が期待できます。
ナッツの効果的な食べ方
ナッツの1日の摂取量
ナッツは実は高カロリーで、脂質も含まれておりますので、体に良いと言ってもたくさん食べては逆効果です。 農林水産省によると間食の適量は、1日当たり200kcal程度と推奨されていますので、飲み物と合わせることを考えて1日120kcalとした場合、 粒の大きさによっても異なりますが、大体アーモンドは約20粒、カシューナッツは約13粒、くるみは約4粒、ピスタチオは約35粒、マカダミアナッツは約8粒となります。 目安としては片手に収まる程度かと思いますので、摂りすぎのないようお気を付けください。
ナッツを食べるタイミング
基本的に食べるタイミングに決まりはありませんが、おすすめのタイミングをいくつかご紹介します。
・消化に多少時間がかかるため、寝る直前は控える
・食物繊維が豊富ですので、食事の30分~1時間前くらいに食べると食べすぎを防ぐ効果が期待できる
・ビタミン、ミネラルが豊富ですので、スポーツの前後に食べることで汗で失われた分を補給
小腹が空いたときのおやつとしてはもちろん、普段の料理の材料としてお使いいただくのもおすすめです。
ナッツを食べる際の注意点
食べ過ぎないこと
前述しておりますが、どんなに栄養が豊富だからと言って食べ過ぎは禁物です。 高カロリーなので、1日の摂取カロリーが過多になる恐れがありますし、脂質の摂りすぎで皮脂の分泌が増え肌トラブルを起こすことも。 特に添加物が施されたナッツには注意が必要です。
便秘や下痢
ナッツに含まれる食物繊維は、不溶性食物繊維が多く、不溶性食物繊維過多になると便の水分が吸収され硬くなり、かえって便秘になることもあります。 また脂質の摂りすぎにより消化不良を起こし、下痢になるケースもあります。
栄養価が高くて健康だからと言っても、人によって普段の食事でとれている栄養価も異なる上、体質も個人差がございます。 ナッツを食べる際には適量を守り、自分の体調を見ながら摂取することを心掛けましょう。
塩分は控えめに
ミックスナッツにも、色々なタイプがあります。塩のきいたミックスナッツは塩分が多いため、控えた方がよいでしょう。塩分の摂り過ぎは、高血圧や動脈硬化を引き起こしやすくなります。さらに、むくみの原因にもなります。
塩も油もカットした素焼きタイプのミックスナッツがおすすめです。味が付いていないと最初は物足りないかもしれませんが、しばらくすると素材そのものの味で満足できるようになるでしょう。保存料などを使用していない無添加タイプもおすすめです。
コメント